大統領決選投票　11月21日
ヤヌコーヴィチ候補か、ユシェンコ候補か

11月3日付の新聞報道によれば、大統領選挙の結果、
開票率97.67％の時点で各候補の得票率は次の通り
です。

現首相ヤヌコーヴィチ氏……39.88％
元首相・野党連合「我らのウクライナ」
代表ユシェンコ氏……39.22％
社会党党首マローズ氏……5.83％
共産党党首シモネンコ氏……5.03％

ウクライナの東部・南部ではヤヌコーヴィチ氏が強く、そ
の他ではユシェンコ氏の支持が多いという傾向がはっき
り出ました。

11月21日、ヤヌコーヴィチ氏とユシェンコ氏の間で決選
投票が争われることになります。

　2日付の『イズヴェスチヤ』の記事では、シモネンコ氏・
マローズ氏の支持層は決選投票ではヤヌコーヴィチ氏を
選択するだろう、と予想(期待？)されています。

しかし、シモネンコ氏は2日、ヤヌコーヴィチ氏・ユシェンコ
氏はいずれも「犯罪的な政商組織の手先」であるとして、
決選投票ではいずれの候補をも拒否する意思表示をす
べし、と呼びかけました。

共産党の公的な判断は、4日に開かれる共産党中央委
員会総会で決定される由。

ウクライナ大統領選に顕著な違反ありと欧米指摘

　欧州安保協力機構やアメリカ合州国国務省は、選挙運
動期間においても選挙そのものにおいても、顕著な違反
がみられたと指摘しており、決選投票が公正に行われる
ことへの希望を表明。

もっとも政府系のメディアは一様に、選挙が大過なく行わ
れたことを強調していますが、ヤヌコーヴィチ氏の得票率
が87％に達した同氏の地元ドネツク州では、政府に批判
的なTV局「第5チャンネル」のリポーターが投票所で取材
中、6名の暴漢に殴打され、ヴィデオカメラを奪われるとい
う事件がありました。

しかし同州の「ウクライナ有権者委員会」代表トカチェンコ
氏によれば、「大量の投票用紙紛れ込ませ・投票箱の持ち
出し・監視人の投票所からの連れ出しなどが行われた2002年
の最高会議選挙に比べ、今回の選挙ではさほど重大な違
反はなかった」とのこと。投票率は74.5％。

　　　　　　　　　　２００４．１１．０４　竹内高明（在キエフ）