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ロシア語通訳協会をご存じでしょうか。実を申しますと、これはかなり珍しい組織なのです。フリーの通訳者というのは多くの場合お互いがライバルですし、性格的にも自由を求めて組織的活動を好まない癖があります。ですから、他の語学にはこんな組織は存在しないのではないかと思います。

それでも、私たちは通訳・翻訳技術の向上、通訳者・翻訳者同士の経験および情報の交換などを主な目的として今から約30年前(1980年8月)にこの協会を発足させました。それは、とかく個人の枠に閉じこもりがちな傾向を打ち破り、切磋琢磨し合いながらも助け合って、自分だけではなく、わが国におけるロシア語通訳・翻訳全体の水準を向上させよう、という点で大勢の仲間の賛同が得られたからです。今では約120名の会員を擁し、現在活動中のロシア語のフリー通訳者のかなりの部分を網羅しています。会長職のバトンタッチもおこなわれて、徳永晴美、小林満利子、米原万里、宇多文雄、徳永晴美、米原万里、宇多文雄そして益不二夫と続いてきました。

この30年余りの間、協会は自分が掲げた目標の達成を目指してさまざまな活動をしてきました。目玉と言えるのは、25回にわたり開催してきた「通訳の諸問題シンポジウム」です。これまでに取り上げたテーマは、ロシア語教育問題、同時通訳の訓練法やテクニック、通訳にあたる各分野をめぐる問題、時事問題、日露関係など多岐にわたっています。報告者も現役の通訳者をはじめ、大学教授、各種実務家、ソ連(ロシア)大使館員、他の言語の通訳者など、多士済々でした。

 

またもう少し細やかな通訳の技術的問題や専門分野の問題をめぐって学習会、映画鑑賞会、経験交流会を年に数回開いています。最近では、証券・金融の学習会や和文露訳添削通信講座などを企画しました。さらに特定分野に携わってきた協会員が編纂した分野別用語集、観光ガイドの実演をおさめたテープや同時通訳講習会テキストのような各種教材など、このような集団でなければ作れないユニークな資料集も発行してきました。このようにして私たちは親睦を深めながらプロとしての技量を向上させるという目的にいささか貢献し得たのではないか、と自負しています。今後もこの方針をつらぬいていきたいと思っています。

また、会員以外にも仕事上ロシアとロシア語に縁の深い方、これから通訳者になることを目指す方、ロシア語を勉強中の方、苦労して学んだロシア語から離れたくない方など、ロシア語関係者の広い層があります。これらの方々のためには通信会員制度を設け、各種催し物の開催案内や会報をお送りして、協会の活動の輪をさらに広げたいと考えています。関心のある方はどうぞご利用ください。

1997年には渋谷区代々木に事務所を開設し、2004年には中央区新川に事務所を移転しました。原則として月曜日から金曜日の10時〜15時に事務所をあけて各種業務にあたっており、ご質問があれば、お答えできる態勢になっています。

デザイン&入力:Ryuichi Shimizu /Yoshiko Iwaya/Yumi Kusuyama /Hiroshi Hamasaki/Kayoko Ikeda/Takumi Kohei/Yui Kuwahara/Chihiro Fujishima■監修:Hiroshi Dewa

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