むかしある長者さんが、田植えを一日で終わらせようとして、
西の空に沈みかけた太陽を呼び戻して一晩中皆に植えさせた。
朝起きて、楽しみに自分の田んぼをながめに行った長者さん、
目の前に見たものは、もうちゃんと東の空にあらわれたギラギラと
光る太陽に照り返された大きな大きな池だった…
鳥取市の郊外に広がる湖山池に伝わる伝説です。
この池を日夜眺めて、北の国から渡ってきた水鳥の数を
数えている会員がおります。前会報でご紹介いただきましたが、
一部旧情報あり。
現在はほとんど主婦と母をしながら一向に来ぬ仕事を待つともなく、
待たぬともなく、それでもロシア語をこよなく愛しながら、
ひっそりと生きている“ちほう会員”のつぶやきを二こと三こと
お届けします。
田舎における通訳事情の中からわかったいなか人(びと)の傾向について、
次に箇条書きにて報告します。
〈一般的傾向〉
1 いなか人はいなか人を認めたがらない。
2 いなか人は黒目黒髪以外の背の高い外国人にやさしい(過剰待遇もする)。
〈お役所のいなか人の特徴〉
1 外国人を使いたがる。
2 国際交流をさけびながら自分たちが外国人と接していることで満足し、
下々に還元されない公金を使う。
3 都合が悪くなると、役所の部課名で逃げる。
〈民間のいなか人の特徴〉
1 自分の客の外国人には金を惜しみなく使うが、頼んだ通訳には、
お金がないので…と言って通訳料をねぎる。
2(ひどい例)まず、ロシア人が来たんですが、と客に呼び、
友だちにしてしまってから、それ以降の通訳、翻訳を無料でさせようとする。
こんなのに引っかかるのもいなか人の証拠、このごろは人にも
人生にも溜め息が出るばかりですが、ちゃんとした仕事なんかなくても
ロシア語の体力を維持できる秘密兵器が私にはあるのです。
ひとよんで「三浦文庫」。
なにをかくそう、慈悲深い三浦みどり氏が、
三年前に恵まれないちほう人のために、どーん、どーんと送ってくれた、
文学、語学、通訳資料、そしてすごい量の実践テープ。
イヤホーンをひっかけて、台所の洗い物や洗濯物の山を片付けながら、
ウラジオやモスクワ、キエフやトゥーラにまで行っちゃうんです。
いつも東から顔を出してくれるお日様と三浦文庫に感謝しながら、
私のはてしない充電生活は続きます。
さあ、明日は何処へ飛んでいこうかしら…