ロシア語通訳協会北海道支部 第2回学習会報告

1部 「ロシア語通訳翻訳料金事情」〜通訳翻訳料金 今とむかし〜
ルテニア代表 大島 剛

2部 講演「北海道とロシア極東」〜良き隣人として、地域間交流の展望〜
北海道大学スラブ研究センター教授 荒井 信雄


2009426日(日)、季節はずれの雪が降る中、北海道支部の学習会を行いました。会場は札幌市中央区の「かでる2・7」。午後2時より行われた学習会には札幌内外より22名の会員、非会員の方々が集まりました。

第一部では北海道支部長の大島剛氏が「ロシア語通訳翻訳料金事情」というテーマで通訳・翻訳の料金の今と昔、現状と課題などをお話し下さいました。エージェントごとの通訳・翻訳料金設定を比較しながら、翻訳においては「ドラフト翻訳って何?」「至急の翻訳料金はどうする?」「医療などの専門性の高い翻訳料金は?」といった疑問や課題を、通訳においては「キャンセル料が発生するのはいつから?」「事前の打ち合わせは別料金?」「長距離移動を伴う仕事の移動時間に料金はかかる?」などの通訳者が抱える疑問について説明されました。

質疑応答では英語通訳の方から「通訳とは別の日に行われる打ち合わせは半日料金を頂戴してます」といった英語の世界での料金事情もお聞きすることができました。また、普段は通訳者を使う立場にある方々から「通訳者を使う側として気をつけることは?」といった質問もあり、相互理解も図ることができた有意義な時間となりました。

第二部では北海道支部会員で北海道大学スラブ研究センター教授の荒井信雄氏から「北海道とロシア極東 〜良き隣人として、地域間交流の展望〜」というテーマでお話をしていただきました。ФЦПСоциально-экономическое развитие Дальнего Востока и Забайкальяを中心に、その概要と、今のロシアが見る極東のあるべき姿について、北海道苫小牧東プロジェクトの比較や1990年代の極東開発プロジェクトとの比較を交えながら、「インフラストラクチャーの制限」をキーワードにわかりやすく説明していただきました。質疑応答では今後の北海道と極東のかかわり方や、5月のプーチン来日にも触れ、とても興味深いお話を聞くことができました。

学習会後の懇親会では、根室や函館といった遠くからご参加いただいた方々とも親睦を深めることができ、実り多い学習会であったと思います。
(文:稲本智佳子)